餅などによる気道閉塞、腹部突き上げ法と背部叩打法の有効性~MOCHI研究班

提供元:ケアネット

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公開日:2026/01/05

 

 お正月は餅を食べる機会が多く、餅による窒息の初期対処法をいま一度確認しておきたい。日本医科大学の五十嵐 豊氏らが、餅などの異物による気道閉塞患者に対して腹部突き上げ法もしくは背部叩打法による初期対応を実施する場合の有効性を介入なしの場合と比較したところ、いずれの方法も介入なしと比べて有意に良好な神経学的転帰と関連し、さらに背部叩打法は生存率改善とも関連していたことが示された。Resuscitation Plus誌2025年9月号に掲載。

 本研究は、MOCHI(multi-center observational choking investigation:窒息に関する多施設共同観察研究)研究班による国内25病院で実施された前向き多施設観察研究で、2020年4月~2023年3月に異物による気道閉塞で救急外来を受診した18歳以上の患者が対象。主要評価項目は30日後の良好な神経学的転帰(Cerebral Performance Category1または2)、副次的評価項目は30日生存率および閉塞解除の成功率とした。交絡因子を調整するため、治療の逆確率重み付け(IPTW)を用いた傾向スコア分析を実施し、ロジスティック回帰分析およびCox比例ハザードモデルで解析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・407例(年齢中央値:81歳)のうち、腹部突き上げ法が24例、背部叩打法が76例、バイスタンダーによる介入なしが175例であった。

・IPTW調整後、腹部突き上げ法群(38%vs.16%、差22%、95%信頼区間[CI]:14~31)および背部叩打法群(31%vs.16%、差15%、95%CI:8~23)は、介入なし群と比較して良好な神経学的転帰の頻度が有意に高かった。

・背部叩打法は生存率改善と関連していた(調整後ハザード比[HR]:0.52、95%CI:0.35~0.78)が、腹部突き上げ法は関連していなかった(調整後HR:0.73、95%CI:0.40~1.35)。

(ケアネット 金沢 浩子)